志村税理士事務所

Tax Attorney & Financial Plan Office

【その8の一】  税理士って一体「何ナノ」と社長大いに嘆く

                  第2弾 【その3】参照

先日、相談に見えた社長(建設業)から電話がありました。相談内容は、「税理士の職員が申告期限の1週間位前になると、今期はこの位になりましたので、署名・押印をして下さい。」と言う事で、内容がわからないまま申告することに不安を覚えている、と言う事でした。

社長 : 先生、うちの経理見てもらえる? 
志村 : はい、閑、そのものですから、喜んでお引受します。ただ経緯は知りたいですね?
社長 : 経緯? そんなもんは、あったような・なかったような、いつも通りだな。
志村 : 意味のある言葉が何にも無いじゃないですか?
社長 : ん〜。やるべき事はやったよ!
志村 : 社長、性格変わっちゃいました?
社長 : ん〜。見えないんだよな〜・・・
志村 : 禅問答、好きなんですか?
社長 : 今期は、気になるから、会社の粗利益高の集計と比べてみたんだ。これ正確だよ!
志村 : 合わなかったんですか?
社長 : 税理士の職員の決算書の方が2,000万円位少ないんだよな。
志村 : 建設業は、仕掛りで認識の違いはありますよね?突き合わせてみましたか?
社長 : 持ち帰って合わせるって言ってたよ!
志村 : それは凄い!凄腕ですね?
社長 : もしかしたら、ご希望に添えないかもしれないって言ってたよ。
志村 : 凄い話でなんとも言えないけど、どうなってるんですか?
社長 : だ・か・ら、この前相談に行ったんでしょ?
志村 : 持ち帰った結果はどうでした?
社長 : ほぼ合ってたよ!
志村 : 署名・押印はしたんですか?
社長 : したよ。中味はどうあれ結果だからね!ただ、来期もこれは、もう出来ない!
志村 : 社長!とにかく会社へ行きます。税理士の職員に渡している資料を見せてください。
社長 : そのために電話したんだから、早く来てもらえるかな?         続く

<独り言>

社長と税理士の職員、接点が少なすぎる。税理士と顧問先の接点の99%は、受渡しデータの内容と、データ加工後の試算表のスピード。どちらにも、相手に対する、認識に問題がある。
税理士の職員は、複式簿記で記帳をしている訳だから、数字の上では、現実と大きくかけ離れる心配はない。しかし、受渡しデータの吟味が不十分な場合は、・・・・・・。まずは、会社へ行ってから。


【その8の二】  税理士って一体「何ナノ」と社長大いに嘆く

                  第2弾 【その3】参照

相談相手の会社の事務所にて。

志村 : 社長、何かいい事ありました?
社長 : どうして?
志村 : 先日の電話の時とずいぶん雰囲気が違うから。
社長 : 一昨日、受注が決まったからかな。
志村 : おめでとうございます。結構、現金ですね?
社長 : それはともかく、うちの経理は引き受けてくれるの?ちょっと条件があるんだけど。
志村 : お聞かせください。
社長 : 今の税理士は、近所で長年の付き合いがあるので、すぐに止めてもらうわけにいかないんだ。そこで、今の税理士と重複でやってもらいたいんでけど?
志村 : いきなり面倒な話ですね?
社長 : 町内会も一緒なんでね。これ、こっちも結構面倒なんだ。
志村 : そうすると・・。今の税理士は、実質決算時に年に1回こっきりで決算書と申告書作成するわけですよね?その間は私が試算表を毎月作成して、1年後にそれを比べると言う事ですか?

社長 : そこまでは考えていなかったけど、そうしてもらえるとあり難いね!兎に角、毎月試算表が見たいんだ!
志村 : 先方の税理士には申し訳ないけど、面白そうですね。立場が逆の場合、結構不愉快ですけどね!
社長 : 面白がられてもしょうがないけど、如何だろう?正直、試算表の見方も知らないから少しずつ見れるようになりたいしね!
志村 : その一言気に入りました。お引受します。

<独り言>

最初、相談にみえた時は、ここまで逼迫しているとは思いませんでした。私にとっては、変則的な依頼ですが頑張ってみようと思います。
後で会社の会計資料を見ましたが、これがなんと、素晴らしくよく出来ています。今の税理士が年1回の資料収集で、決算が組めた理由がわかりました。
しかし、1年は長いです。1年後に結果だけ言われても、覚えていないケースは多々あります。毎月試算表を作成して、毎月この社長にお会いしたいと思います。



【その7の一】  「粉飾ってそんなもん!」と社長大いに嘆く?

顧問先の社長との決算予測説明の席で。

志村 : 先日の打合せどおり、今期の決算は赤字になりますけど。
社長 : 赤字!ん〜 やっぱりまずいよね?売上が低調だったからしょうがないけど。
志村 : 銀行ですか?
社長 : もちろん!
志村 : 今期は、売上高の減少と粗利益率の低下のダブルパンチでしたね?
社長 : クールに言えばそうだけど、人ごとみたいだね!
志村 : そんなつもりはないですけど、気に障ったのなら、申し訳ありません。
社長 : まぁーいいよ。現実だから!
志村 : でも、後半は仕入ルートの見直しで、新しい商品が売れて利幅も回復基調じゃないですか?
社長 : そー、それが今の心の支えって言うところかな。来期は結構巻き返せると思うよ!
志村 : それを根拠に銀行への説明は十分出来ると思いますが?
社長 : ん〜。やっぱそこだよね!自信がないな〜!
志村 : どうするつもりですか?
社長 : 過去に赤字で申告してるんだけど、どーも、銀行は赤字を嫌うって言う感じが強いんだよな。
志村 : 減価償却費の計上を見送れば一応黒字ですけど?
社長 : 昔、それをやって指摘を受けた事があるんだ。だから、だめだな!
志村 : 社長!考えてる事は分かりますけど、止めたほうがいいですよ!
社長 : まだ何にも言ってないでしょ?
志村 : わ・か・り・ま・す・よ!目を見れば!

【その7の二】  「粉飾ってそんなもん!」と社長大いに嘆く?

社長 : 分かっているなら、適当に上手くやってくれる?
志村 : 益出しをですか?・・・・・・・・・・・・
社長 : ・・・・・って何!客の頼みを聞いてもインじゃない?
志村 : 新しい商品で利幅が回復基調って言っても、来期、黒字にする自信はありますか?
社長 : ん〜、、、、、難しいかもしれないね!
志村 : 社長の頼み事って「粉飾」ですよね?
社長 : そんな大それた事じゃないよ!!来期の売上をちょっとばかり今期に持ってくるだけだよ!誰も文句言う訳じゃないし。
志村 : 来期、黒字は難しいって言ってるのに、その売上を今期に持ってくるんですか?
社長 : 大した事じゃないじゃない!誰も文句を言うわけじゃないんだから!文句をいっているのは先生だけだよ!!!
志村 : 別に文句を言っている訳じゃないんです。社長の言う通りに今期「粉飾」をすると、来期も「粉飾」をする事になりますよ!っていう事です。
社長 : そんなの、何時か挽回できるよ!
志村 : いつですか?
社長 : ・・・・・・・何時ったって・・・・・とにかく大丈夫だよ!どうしろって言うわけ?
志村 : 来期も黒字は難しいみたいですから、当期は赤字で決算したら如何ですか?
社長 : だ・か・ら、銀行が心配だって言ってるでしょ!!!!!
志村 : 当期は赤字で、来期、役員報酬・賃借家賃等を減額して黒字にしたら如何ですか?
社長 : え〜報酬を下げるの?そりゃないでしょ!女房になんて言われるか?

《独り言》

「粉飾」。税理士の仕事をしていると、多々、遭遇します。皆さん一様に「銀行が」と言います。
しかし、業績が悪い時借入を行っても、確かな再建目標を持っていない場合は、ただ何となく悪い状況のなかで使ってしまい、傷を大きくしてしまいます。

赤字で決算をして、融資が一時的に見送られた方が本気で再建を考えるので、会社の将来のためになると思っています。
変わる、例えば役員報酬・社員給与をさげる、解雇をする、と言う事は精神的にはしたくない事です。しかし、放置すれば、最悪の場合、倒産の危機に直面します。 自分の会社が「マサカ」と言う気持ちは分かりますが、それは=気持ちの中でその可能性を感じているからこそ、そうなりたくないと言う気持ちだと思います。

今回の会社は、伝票の訂正が入りました。その内容は期末在庫が当初の金額の約1.8倍になっていました。結果、若干の黒字でした。これでいいのかな???????


【その6の一】  「欠損金で小遣いが出来るのに!」と社長大いに嘆く!

                                                                                           

業種は言えませんが、納品会社の顧問日に経理の担当者と打合せをしていた時です。

社長 : 先生・・先生・・・・ちょっと、ちょっと。(ひそひそ声で)
志村 : 何ですか?
社長 : 私の部屋まで来てください。
志村 : 何か変な感じですね?
社長 : 得意先に言われたんだけど、納品金額を水増しして請求書を発行してくれないか?って言う話なんだけど。
志村 : 引き受けたんですか?
社長 : いや!初めて言われた事なんで、相談してからと思って。
志村 : 社長、その方に土地の売却損があって赤字で大変だとか、話しませんでした?
社長 : 一昨年、土地の売却をして借入金を返済した話はした覚えがあるよ!
志村 : その会社、毎年結構な利益が出ている会社じゃないですか?
社長 : うちとは規模が全然違うからね!
志村 : 説明は、先方の話をお聞きしてからにします。
社長 : こう言う事なんだ。今月は、請求額が非常に多くて約1,000万円位なんだけど、それを1,300万円で出してくれって。
志村 : たまにそう言う話をくけど、それって、社長にお小遣いが入る話じゃないですか?
社長 : あれ!知ってるの?他所でもみんなやってるの?
志村 : その話、一度やると社長があとで苦しみますよ!!!!


【その6の二】  「欠損金で小遣いが出来るのに!」と社長大いに嘆く!

1日遅れました。申し訳ありません。顧問先の債権回収に走り回っていました。かっこい〜けど、本当は、電話番してただけす。

今回のテーマは、簿記の3級が分かっていればこんな相談談は無いはずですが?

社長 : この話、受けるなって言うこと!
志村 : そ・の・と・お・り・・・!!
社長 : いけてる話だと思うけどね!
志村 : いくら戻せって言われたの?
社長 : 会社から300万円抜いて、自分で30万円、取引先に270万円だ!
志村 : 社長!それで満足なわけ???
社長 : 欠損金があって会社に税金も出ないし、小遣いが出来るんだから〇■△文句ある?
志村 : ふぅうぅん。
社長 : 気に食わなきゃはっきり言ってくんない!
志村 : 会社から引き出した300万円。経理の人は、科目はなんてするの?
社長 : そんなもの、、、、、、、??????銀行引出しだろ!!!
志村 : そんな科目は無いよね!「われ思う、それはやっぱり、給与かな」 読み人志村かな。
社長 : なんだ!その給与って§§§§??俺は30万円だって言ってるでしょ!
志村 : じゃ!税務調査があった時、税務署の人に270万円誰に渡しか言・え・る!
社長 : そんなの、男は口が裂けたって言えないね!!!
志村 : ご立派。好きにすれば!
社長 : なんか冷たくない!
志村 : あ・き・れ・た!
社長 : 言ったら取引先無くすよ?
志村 : 無くさないようにすれば!
社長 : どうすればいいわけ?
志村 : その話がかった事にすれば「いいわけ」!
社長 : たった30万円だよ!問題無いでしょ?
志村 : 上手くやれて、300万円は社長への貸付金だね!毎年社長から2%位の金利を貰う事になるね!
社長 : だから、俺は30万円だよ?
志村 : まだ分かんないの?その300万円は科目で言うと「裏金」だよ!!
社長 : そんな科目あるわけないだろ!!!!!
志村 : だ・か・ら!!!それは「処理できないお金」なの。・・・・・・なの。
社長 : 、、、、、、、、、・・・・・・・・・・・
志村 : 分かった?
社長 : ちょっと。
志村 : その話、受けちゃだめだよ!

                       
【その5の一】  「銀行からの借入?」と社長大いに嘆く!

 飲食店を経営する社長からの電話。7〜8年前に某テレビ局がお台場に移転して以来、売上が急減し、何とかやりくりしてきたお客様です。公的な金融機関から借入を行い、内装をリニューアルし頑張っていましたが、「客がいないんだからもう限界」と嘆いていました。

社長 : 前にも話しをしたけど、店舗を移転する事にしたよ。
志村 : 確か、テレビ局が移転して、売上ががた落ちで、店舗の移転を考えるって言う話?
社長 : そう。その話。
志村 : どこへ移転するの?
社長 : 萱場町。
志村 : 急な話だけど、資金は借入?
社長 : もちろん、それ以外ないでしょ!
志村 : 幾らくらいの規模?
社長 : いろいろあるけど、店はスケルトンだから2,500万円位になるんだな。
志村 : どこから借入をするの?
社長 : それが良くわからないから電話したんだけど。
志村 : どこかの銀行へ相談に行ったの?
社長 : いいや。銀行じゃなくて、東京都の中小企業金融・・・・って所へ行って、まずは、相談してみたんだ。
志村 : どんな指導を受けたの?
社長 : 公的な金融機関は使っているから、東京都保証人協会を使うしかないって言われたんだよ。
志村 : それは、東京都保証協会だね。
社長 : かな?ただ、名前はともかくその手順が良く分からないから電話したんだけど!
志村 : 借入の手順だけど?どのような説明を受けたのかな?
社長 : まず、萱場町の近くの銀行に、企画書を持ち込んで、その東京都保証協会に掛け合いに行ってもらえって言うんだ。
志村 : 社長は萱場町の近くに銀行取引は無いよね?
社長 : もちろん無いよ。ただ、貰ってきた資料を読んでみると、まず、東京都保証協会へ行けって書いてあるんだけど!どおなってるの!

【その5の二】  「銀行からの借入?」と社長大いに嘆く!                                

志村 : はっは〜。分かった!
社長 : 一人合点していないで説明してよ!
志村 : 社長、それは銀行経由でも直接保証協会でもどちらでもいいんだな。
社長 : そう言われても判断しにくいよね!
志村 : 一般的には、銀行経由で行われている場合が多いけどね。
社長 : じゃあ、萱場町の最寄の銀行を見つけて、口座を開設して依頼すればいいわけ?
志村 : まあそれもそうだけど、今回の社長のケースはそれでは難しいかもしれないね!
社長 : どうして?
志村 : 銀行は、新規で口座を開設したからと言って、すぐに本気で融資を考えるとは思えないでしょ!
社長 : じゃあ〜どうしたらいいの?
志村 : 今回は、保証協会へ直接行ってみたらどう?        
                   

要は、保証協会の保証の確認が取れれば、どこの銀行も取引実績等に関係なく融資をしてくれるわだけら。
よく、銀行の担当者が、「私が保証協会と渡り合ったので保証が取れました」っと言う話を聞く時、満更嘘でもないと思うけど、過去に実積のある会社の場合は、一定の枠があって、その枠を再利用しているような気がするんだよね!
顧問先の社長と、切羽詰っていくところが無くなって、保証協会に行ったことがあるからね!
今回の社長のケースは、保証協会に実績が無いわけだから、社長が直接保証協会と交渉した方が、説得力もあり成功する可能性が高いと思うよ。

社長 : 保証協会がOKを出せば、銀行は融資してくれるって言うこと?
志村 : その通り。
社長 : じゃあ、保証協会へ直接言ってみる事にするけど、先生、一緒に行ってくれない?
志村 : 日当を戴けるのであればいつでもどうぞ
社長 : 手数料とるの・・・・・・・・・?
志村 : (ハイ)の3乗!=MUST



【その4の一】  試算表って何? 銀行が欲しがってるんだけど!

 設立2年目、ソフト制作会社の社長から電話が入りました。この会社は、第1期目の申告書を終えて、現在2期目の8ケ月を経過したところです。会計データの上がりは不定期で、今期分は全く処理出来ていません。ちなみに、社長は46歳、前の会社が業績不振に陥ったため、担当顧客をそのまま自分の顧客にして独立した方です。

社長 : 先生、銀行が試算表を欲しがっているので、至急いただけませんか?
志村 : 銀行から借入をするのですか?
社長 : そうなんです。
志村 : 急な話ですね。資金使途はなんですか?
社長 : それがですね、某会社(上場はしていないがその業界では大手)から直で仕事を受注出来たんです。
志村 : すごいですね。
社長 : 自分でもびっくりです。ただ、独立する前の関係で結構有望かなとは思ってたんで、やった〜って感じです。
志村 : 幾らくらいの受注ですか?
社長 : なんと3,000万円です。
志村 : 独立したかいがありましたね。
社長 : はい。ありがとうございます。ただ、我社の社員だけではこなせないんです。
志村 : 新たな投資が必要になったわけですね?
社長 : そうなんです、新たに機材と人員を増強する必要に迫られ、思い切って銀行から借りれをしようと思って銀行に行ったんですが、そのときに言われたのが、まずは過去の申告書と現在の試算表という事です。
志村 : 当然ですけど・・・
社長 : 申告書は提出したものの控えで良いと思うんですけど、試算表って何ですか?

<独り言>この話は結構厄介です。この会社は、経理職員がいないため、試算表の作成は社長の動きに全て左右されます。内容的には難しいことは無いのですが、一期目の決算も資料を貰うためだけに、相当難航しました。このケースは気が重くなります。


【その4の二】  試算表って何? 銀行が欲しがってるんだけど!

志村 : 前期の申告の前に一緒に見た資料を覚えてますか?
社長 : 利益が出るとか、出ないとかで、売上とか仕入があった表ですか?
志村 : そう。あれが試算表です。
社長 : あれって年に1回じゃないんですか?
志村 : それは確定申告です。
社長 : じゃあ、試算表っていつ作るんですか?
志村 : 社長、今期になって月々の資料を何回いただいたか覚えていますか?
社長 : いやぁ〜、担当の人からは催促されているんだけど、うちって経理がいないでしょ、結局自分でやるしかないんだけど時間が無くてね。
志村 : 月に1度前月分の資料をいただけければ、試算表は毎月作成できます。
社長 : え!それって本当ですか?って言う事は、今期の8ケ月分の資料を私が整理しないと、試算表が出来ないっていうこと?
志村 : そのとおりです。
社長 : 来週中には銀行に資料を出さなくちゃならないんだから、そんなの無理だよ。
志村 : 今日が火曜日ですから、今週中に資料をいただければ、来週の水曜日には試算表を作成できます。
社長 : やっては見るけど、何でもっと早く言ってくれないのかな〜
志村 : 前期の決算の時に、社長と私で、今期からは毎月資料を提出してもらいますよ!という堅い約束をしたはずですが?
社長 : え〜〜、その話が、この話なの?・・・・・・・・・・

<独り言>結局、金曜日までに大凡の資料を戴き、私が、土・日とパソコンを打ちまくり、後は担当者が補足をし、水曜日の午前中に試算表を渡しました。試算表って銀行に提出するだけのものではなくて、それを見て会社の現状と将来を考えるためのものなんですがね


【その3の一】  税理士って一体「何ナノ」と社長大いに嘆く

          サブタイトル:税理士は「神=本当に何でも知ってるの」なの?

税務調査のラッシュでした。全くサボってしまいました。後日、税務調査シリーズに記載しますので読んで下さい。

 今回は、先日、建設会社を経営している顧問先の社長から、彼の大学時代の友人で同じく建設会社を経営している社長の相談を受けて欲しいという依頼があり、お会いした時の話を皆様にお伝えしたいと思います。

 相談相手の社長は、40代後半、父親が創業した会社を受け継ぎ、仕事が忙しい為、奥様同伴で土曜日の午前中にお会いしました。いつも思う事ですが中小企業の社長は忙しいのです。奥様が同伴した理由は、奥様が経理を担当しているからです。相談時には、直近の申告書を持参して頂き、内容を見ましたが、日本における建設業の象徴である売上総利益率が目立って低い事以外は、まず、問題の無い会社でした。ただし、前期、相談者の父である前社長に対する退職金の支給が過大であり、利益ベースで2期分程度の損失が計上されていました。

社長 : 本日、相談に赴いた大きな理由は、税理士はどこまで依頼者の事を考えているのかと言う事です。毎年毎年思う事ですが、税理士の職員が申告期限の1週間前位になると、今期はこの位になりましたので、署名・押印をして下さい。今月末日までにこの納付書で納付しておいて下さい。この繰り返しです。中身は全く分かりません。説明されても分かりません。当期(8月決算)の決算も未だ内容は全く分かりません。
志村 : そうは言っても、今まで問題なく会社経営を行って来られた訳ですから、今更という感じを受けますが、何か、不都合があったのですか?
社長 : 何かどころか、今更どころか、トンでもない話ですよ ⇒ 鼻息
この会話、私が23年前に税理士になった時から、脈々とある、日本の構造(私の立場からは、=中小企業)そのものかも知れません。この「社長が簿記を知らない・・・・」シリーズの、正に私がお伝えしたい事そのものに思えます。今回は、少し深く探って行きたいと思います。


【その3の二】  税理士って一体「何ナノ」と社長大いに嘆く


         サブタイトル:税理士は「神=本当に何でも知ってるの」なの?

志村 : だって、税理士は全然来なくて、担当者は時々資料をもらいにくるだけで、決算の直前でなければその期の結論が分からないと言っても、社長、お父さんの代にはそれで何とかなってたわけでしょ。
社長 : そうかもしれないが、私は納得できない。
志村 : 社長、では、何処が一番納得できないのですか?
社長 : 前期、税理士の指導に従って父の退職金を払ったんだ。結構高かったよ。その結果、会社の決算は赤字で、確かに、税金は地方税の均等割りだけで負担感はなかった。しかし、公共事業の入札ではランクが下がってしまい散々なんだ。
志村 : なるほど。しかし、先代に退職金を支払い、赤字になるケースは結構ありますよ。
社長 : 違うんだよ。そんな一般的な話をしてるんじゃなくて、税理士ってのは、税金だけを考えるんじゃなくて、その先の事もお見とうしで、税金以外のことも分かってるんじゃないかってことさ。
志村 : 社長、それは大きな勘違いだよ。税理士に月々幾ら払ってますか?
社長 : 月々6万円だな。
志村 : その金額が高いと思っていますか?それとも普通あるいは安いと思っていますか?
社長 : そんなの、他の会社が税理士に幾ら払っているのか知らないんだから分からないよ。
志村 : それでは、社長の会社の経理部の新入社員の初任給は幾らですか?
社長 : (奥さんを振返って)幾らだっけ?
奥様 : うちの会社は、経理部はありません。私がやっております。だた、営業事務の女性で18万円位です。
志村 : 社長、今の金額を聞いて何か思い当たりませんか?
社長 : 何も!
話が、だんだん本題に近づいてきました。

【その3の三】  税理士って一体「何ナノ」と社長大いに嘆く


         サブタイトル:税理士は「神=本当に何でも知ってるの」なの?

志村 : 社長、今、奥様がおっしゃったおっしゃったように、新入社員を一人雇い入れると18万円かかるんですよ。
社長 : そんなの、このご時世では、当たり前でしょ。
志村 : だったら、税理士に経理を依存する前に、経理の社員を一人入れたらどうですか?
社長 : ん〜・・・、経理って売上を作るわけでもないし、女房で何とかなっているし、勿体無いでしょ。それに、社会保険・交通費諸々費用がかかるんだよ。
志村 : しかし、今聞いた相談内容は、社長にとっては何とかなっていないんじゃないですか?
社長 : だ・か・ら、税理士っていうのは何でも知ってるんじゃないのって言うは・な・し。税理士が月に18万円も取るんだったら、契約なんてしないで、社員を雇っているよ。いけないの?
志村 : 少しは分かって頂けましたか?私も税理士で、同業を庇うわけではないですが、そこまでケアできません。税理士の報酬が社員の給料と比べて安いから、安易であっていいとは言いません。しかし、赤字になれば、公共事業の入札が難しくなる事は、社長が一番良くご存知のはずです。
社長 : じゃぁ、どうすればいいわけ?今の税理士を首にして、社員を入れればいいわけ?そしたら、誰があんな面倒な申告書を作るわけ?税理士なんてそれを人質にして商売してんじゃないの?訳のわからないことをくどくど説明して、こっちが参ったってのを待ってんでしょ?
志村 : おっしゃりたい事は分かりました。では、質問です。社長が、新しい仕事を受注して、今までに無い新しい工作機械を購入する必要がある場合、購入しますか?レンタルしますか? どちらです?
社長 : そんなの、次の受注がどの位継続的に見込めるかどうかで判断するね。
志村 : でしょ!
社長 : でしょッて!なんなの?そのでしょッて

<独り言>新入社員月18万円、税理士月6万円。確かに税理士って便利ですね。しかし、いつも思う事ですが、この会社の規模から考えるに、たった、12万円で独立性を失ってしまうんですね?もっと規模の無い会社の社長がこのコラムを読むと、12万円なんてトンでもないよ、うちにはそんな余裕が無いよという事になるのでしょうが。だったら、ご自分でおやりになりませんか?と言う事です。ここで、踏み切れない会社は凄く多いです。

現実的には、相談者の社長が言っていたように、「経理って売上を作るわけでもないし」と言う事になるのでしょうか?

【その3の四】  税理士って一体「何ナノ」と社長大いに嘆く

                     サブタイトル:税理士は「神=本当に何でも知ってるの」なの?

志村 : 経理の仕事は、継続的に発生します。それも、毎日です。
社長 : そんなのあたりまえでしょ。リース料なんてのは、考えてみれば休みの日でも払ってるわけだよな。
志村 : ところで、公共事業のランクが下がった事で、売上はどの程度下がりましたか?
社長 : そうだな〜・・ 公共事業は全体の20%位でその半分くらいかな。
志村 : 結構な落ち込みですね。
社長 : 人ごとだから簡単に「結構な落ち込み」なんて言ってるけど、これ深刻だよ!死活問題だよ!それなのに、顧問の税理士は、退職金は有力な節税ですよとか言って、税金はここ2年位はほとんど払わなくて済みますねとか言って、ノンキナもんだよ。
志村 : まあまあ押さえて・・・・・
社長 : この状態では、今期は退職金なしで赤字だよ。あ・か・じ・・・・・・
志村 : 今日の相談内容からすると、今現在、会社の財務内容は分からないのでしょうね?
社長 : もちろん。だから不安でしょうがないから相談にきてるんでしょ。
志村 : 無責任に聞こえるかもしれませんが、済んだことは済んだ事として次を考えませんか。済んでしまったことを、いくら話しても何も生まれませんよ。今回ご相談の件を「大失敗」とまず受け入れませんか。
社長 : 「大失敗」?誰の?
志村 : 当然、社長の。
社長 : ん〜・・・・・・。税理士じゃないの? 自分の「大失敗」って考えると何かが変わる?
志村 : 変わります。経理は毎日発生します。自社で毎日経理をしましょう。自社で毎月試算表を作りましょう。
社長 : それって、経理の社員を1人入れろってこと?
志村 : そのとおりです。経理の社員は、売上はあげません。しかし、社長が今一番心配してるのは、このまま行ったら一体どうなってしまうのか?といことだと思います。今の社長の会社にはこの問題を解決する人材がいないと言うことです。人材を得て、税理士と対峙すれば、おのずと税理士の対応も変わります。
社長 : 本当かな〜?
志村 : 本当です。その証拠に、社長は今回の「大失敗」で経理職員1人分の年間給料以上の損失を蒙っています。社長が気持ちを変えるだけで乗り切れます。もっと早く気付いていればこの「大失敗」はなかったはずです。ちょうど良い機会ではないですか?そして、売上高ばかりではなく、御社の場合は、売上総利益率(=粗利益率)が相当低い様ですから、その改善をお考えになる事を提案します。
社長 : ん〜・・分かったような・本当かなって言う感じだけど、帰って考えてみるよ。

<独り言>自分の会社の経理は、人任せにせず、自社でやりましょう。その相談相手が、税理士だと思ってください。家族の方でも何方でもかまいません。とにかく、経理を他人任せにするのは止めましょう。社長の奥様が経理をしてる場合、特に思う事ですが、税理士との窓口の役目である場合が非常に多いです。一歩踏み込んで、奥様といえども一社員として責任を持って、会社を守るんだという積もりで経験を積んでもらいたいと、いつも、思います。

【その2の一】  売上増加・赤字で社長大いに嘆く

志村 : 社長、当期の決算は****の赤字になります。 つきましては、銀行に対する説明が必要になります。
社長 : 売上が伸びたのに赤字はないでしょ。
志村 : 確かに、今期は売上も好調で、前年対比15%の増加です。しかし、仕事を取る為の無理な工事の見積りが響いてます。仕事によっては原価割れもあります。
社長 : 聞いてはいたけど、次の仕事を取る為の呼び水だから、仕方ないでしょ。
志村 : 無理な見積りを出したいと言う相談を受けた時、私は、数字上の問題として条件を一つだけ出しました。覚えていらっしゃいますか?
社長 : 覚えているよ。家族の役員報酬を半分にする事だろ。しかし、前期は売上が前年対比90%に落ち込んで資金繰りで苦しんだから、今期は少し安く見積もって、売上を上げて、利益は確保したはずだよ。おれの感に狂いはないよ。売上を見ていれば分かるんだ!!!
志村 : ではお尋ねしますが、仕事が増えた分、社員ではこなし切れずに外注に出した仕事の割合をご存知ですか?
社長 : いやそれは ・・ ・売上が伸びた分??だよ            続く


【その2の二】  売上増加・赤字で社長大いに嘆く

志村 : 社長、外注費の増加は30%で売上の増加率15%を上回っています。
社長 : そうは言っても、外注費は原価の一部だから問題ないだろ。
志村 : 確かに、外注費は原価の一部です。しかし、今期は、仕事の受注本数が増え外注を多用したため、仕事の段取りが悪く、時間調整のロス、レンタル機材のロス、部材発注のロス、クレーム処理のロス・・・・等で、前期までとは違う原価構成になっています。
社長 : しかし、当期は、資金的に苦しんだ記憶はないよ。
志村 : それは、運の良い事に、期中に保証協会と金融公庫の借換が重なり、返済元金も今までと同額に設定できたためです。
社長 : だったら、赤字は確定なの。どうすればいいの?
志村 : 当期の赤字は動かし様がありません。それを前提として、来期の方針を考えましょう。まずは、食べるに困るわけではありませんから、ご家族の役員報酬を半減しましょう。
社長 : あれだけ頑張って、給料が半分はないよなぁ・・・・・・・。

この事例は、もちろん簿記的な問題ではありますが、それ以前に、社長のお金の流れに関する認識の問題です。事業形態を変えるときは、思わぬ伏兵が居ますので、売上だけに目をやらず経費の変動にもくれぐれも注意して下さい。


【その1の一】  黒字・資金不足で社長大いに嘆く

志村 : 社長、当期の決算は***の黒字になります。つきましては、***の税金が発生します。
社長 : 税金なんて払う資金がないよ。
志村 : 資金繰りが大変なことは分かっていますが、発生したものは支払うしかありません。
社長 : ん〜・・・・・・
志村 : 今期は売上も好調で、決算月の3ヶ月前にはその旨をお話して大凡の税額は伝えたはずですが?
社長 : 聞いてはいたが、昨年の設備投資の借入金の返済が元利合計で80万円程あるので、まったく心配していなかったんだ。減価 償却もあるし。
志村 : 借入金の返済元利金のうち、利息は経費になりますが、元金は経費になりませんよ。減価償却費も耐用年数が10年ですから10年に渡って費用化するものです。
社長 : そんな馬鹿な話は無いだろう。借入金の元利金は、間違いなく銀行に支払っているのだから。
志村 : ではお尋ねしますが、銀行から借入した時点で収益として課税を受けましたか?
社長 : いや、それは借りたものだから............

上記の会話では感情的には理解できますが、簿記会計的には全く問題外です。まさかと思われる方がいらっしゃると思われますが、このパターンは結構多いようです

【その1の二】  黒字・資金不足で社長大いに嘆く

志村 : 社長、外注費の増加は30%で売上の増加率15%を上回っています。
社長 : そうは言っても、外注費は原価の一部だから問題ないだろ。
志村 : 確かに、外注費は原価の一部です。しかし、今期は、仕事の受注本数が増え外注を多用したため、仕事の段取りが悪く、時間調整のロス、レンタル機材のロス、部材発注のロス、クレーム処理のロス・・・・等で、前期までとは違う原価構成になっています。
社長 : しかし、当期は、資金的に苦しんだ記憶はないよ。
志村 : それは、運の良い事に、期中に保証協会と金融公庫の借換が重なり、返済元金も今までと同額に設定できたためです。
社長 : だったら、赤字は確定なの。どうすればいいの?
志村 : 当期の赤字は動かし様がありません。それを前提として、来期の方針を考えましょう。まずは、食べるに困るわけではありませんから、ご家族の役員報酬を半減しましょう。
社長 : あれだけ頑張って、給料が半分はないよなぁ・・・・・・・。

     
この事例は、もちろん簿記的な問題ではありますが、それ以前に、社長のお金の流れに関する認識の問題です。事業形態を      変えるときは、思わぬ伏兵が居ますので、売上だけに目をやらず経費の変動にもくれぐれも注意して下さい。